テレビCMなどに登場する美しい手。
それは、手を専門にしたパーツモデル(ハンドモデル、手タレとも呼ばれる)が活躍しています。
ハンドモデルは経験を積むほど、非常に多くのハンドケア情報が集まるようになります。
その内容は、化粧水やハンドクリームの選び方、使い方、化粧品を使わないハンドケアなど、様々です。
そして、それらのハンドケアを実践することで、実体験をもとにした知識が積み重なっていきます。
美容の知識、医学や化学の知識が豊富な方もいらっしゃいますが、
ハンドモデルが実践して積み上げてきた、ハンドモデルならではの視点。
行動原理に則ったハンドケアとは…
例えば、ハンドクリームによる保湿。
使っているハンドクリームを聞かれるのは、ハンドモデルには必ずある話です。
そんな保湿によるハンドケアは、手の潤いを保つという意味で、ひとまとまりに保湿とされますが、
経験値の高いハンドモデルになると、補水による保湿、保水による保湿の2つの視点を持つようになります。
補水とは肌に水分を補うこと。
化粧水を中心としたハンドケアで、頻繁に水分を補うことで、手を圧倒的に美しく潤わせます。
しかしながら効果は一時的で、やり過ぎにも注意が必要です。
一方、保水による保湿とは、肌自身の水分を保つ能力を高めて維持すること。
長期的な視点で潤い肌を作っていく方法でもあります。
普段は保水による保湿で土台作り、そして撮影時は補水で圧倒的な潤い肌に、など
ハンドモデルは、保湿の方法を場面で使い分けていたりします。
肌の水分は美肌とも直結します。
たっぷりと水分を保持した潤い肌ほど、ハリや弾力もあり、キメの整った艶肌になります。
そして、肌に補水をおこなったとき、肌は最も潤った状態(水分をため込んだ状態)になります。
肌にため込んだ水分は、時間が経つにつれて徐々に蒸発されて減っていきます。
そこで、水分が失われる前にふたたび補水することで、また最も潤った状態にすることができます。
潤いが少し減ったらすぐ補水、これを繰り返して潤いを維持。
常に水分量がピークに近い状態のため、圧倒的な美しさです。
このハンドケアで主役となるのは化粧水です。
化粧水による肌の補水を、一日に何度も高頻度でおこない、潤い肌をキープします。
ハンドクリームを併用して、肌から水分が蒸発されにくくすることで潤いを長持ちさせたり、
加湿器で部屋の湿度を上げるなど、肌が乾燥しにくい環境づくりも効果的です。
この方法の欠点は、主に3つ。
化粧水の使用頻度がとても高く、消費量もかなり多くなるため、コストがかかるということ。
常に化粧水を持ち歩く必要があるため、外出時などに荷物がかさばること。
潤いの効果は一時的で、実際には肌に悪い場合も多いこと。
また、この方法で注意すべきことがあります。
まずは、やり過ぎないこと。
ふやけた状態になるまで肌が水分をため込んでしまうと、
今度は肌の中で水分を保持する機能を持った脂質などが流れ出し、様々な肌トラブルを引き起こします。
肌の乾燥はダメですが、水浸しもダメということです。
次に化粧水の成分です。
一日に何度も、つまり、通常の使用法の何倍も化粧水を肌に使用するのですから、
肌に負担のかかる成分ができるだけ入っていないものを選んでください。
特にエタノールや香料が成分に含まれているもの、薬用化粧水も肌への影響力が強いので避けたほうが良いでしょう。
また、化粧水を使用するとき、肌を擦らないことも重要です。
肌を擦る頻度が上がれば、ダメージも何倍にもなります。
化粧水をスプレーに移して吹きかけるなどが、摩擦ダメージへの良い対策方法になります。
保水の意味は、肌自身が水分を保つこと。
その保水機能を高めたり、維持していくことが、こちらのタイプのハンドケアです。
保水となると、肌の構造や化粧品成分の知識なども必要になりますが、
知っておきたい重要なことは2つだけです。
1つめは、化粧品は法律の定めにより、肌の表面0.02ミリの角質層までしか浸透してはいけないということ。
成分が肌の奥まで浸透するというのは、あくまでもイメージでしかありません。
・肌の表面0.02ミリの角質層にどんな影響をもたらすか
・肌に浸透せずに肌の外に残ってどのような影響をもたらすか (肌の保護、シミ・シワ隠し、メイクアップなど)
それが化粧品です。
この角質層を整えて保水機能を高め、維持していくのが、今回のハンドケアですので、
2つめに知っておきたいことは、この角質層について。
角質層では、細胞間脂質とNMF(天然保湿因子)により、保水機能が作られています。
NMF(天然保湿因子)は水分をため込んで潤いを作る役割、細胞間脂質が水分の蒸発を防ぐ役割です。
この2つを補い保つことで、肌自身による潤い美肌が作られます。
細胞間脂質の成分のうち50%がセラミドで、セラミドは強力な保水力もあわせ持ちます。
セラミドに次いで多い成分はコレステロール(25%)、他には遊離脂肪酸、硫酸コレステロール。
NMF(天然保湿因子)の主成分はアミノ酸で、NMFの約50%を占めています。
こちらを補うのはハンドクリーム、または美容液の役割となります。(その効果が期待できるものに限る)
まずは化粧水で適切な補水をおこない、その後にハンドクリームや美容液を使用します。
最も取り入れたいのは、やはりセラミドです。
細胞間脂質で最も多くの割合を占める成分であり、水分をため込んで潤いを作るNMFと同様の役割をあわせ持ちます。
セラミドにはヒト型と、それに近い構造の疑似セラミドがあり、保湿力はヒト型が圧倒的です。
その中にも様々な種類があります。
積極的に取り入れたいのは、年齢とともに減ってしまうセラミドNP、セラミドAP。
次に、特にバリア機能に優れたセラミドEOP、保水機能に優れたセラミドNSが続きます。
セラミドの欠点はとても高いことで、まともに配合すれば一気に値段が上がってしまいます。
セラミド配合なのに安いものは、セラミドがほんの少ししか配合されていない可能性も。
セラミドに次いで、細胞間脂質を補う成分として、コレステロールも注目されています。
こちらも保水機能を持つとともに、肌のキメを整えハリを与えるなど期待ができます。
ハンドモデルが最も気を遣うハンドケアは、保水や保湿ではありません。
ハンドモデルにとって最も重要なハンドケアは肌の保護です。
特に紫外線対策にはとても気を遣います。
ハンドモデルは日焼けしないように常に手袋をしているというのは有名な話です。
しかし肌にとっては、日焼け=肌の色の変化という問題よりも、紫外線自体が問題となります。
肌のトラブルの原因の80%は紫外線、肌の老化の原因の80%は紫外線、などとも言われ、
紫外線によって肌が保水機能を自己生成する力が損なわれたり、肌の老化が引き起こされたりします。
紫外線対策では、まずはじめにUV手袋や日傘など、肌に負担をかけずにできることを。
UV手袋を裏返して使い、縫い目による肌への摩擦を無くすのもハンドモデルの技です。
日焼け止めには2種類あり、肌の外側で紫外線を反射させる紫外線散乱剤タイプと、
紫外線のエネルギーを熱エネルギーに変換することで防御する紫外線吸収剤タイプがあります。
選ぶべきは、肌に浸透しにくい紫外線散乱剤タイプです。
塗ったときに肌が白くなるのが紫外線散乱剤(反射剤)の特徴です。
いくら気を遣っても、遣いすぎにならないのが紫外線対策です。
夏だけでなく冬も、直射日光に当たらなくても室内にも、紫外線は入り込んできます。
そんなとき、紫外線対策で補助的に取り入れたいのは、実はハンドクリームなどによる保水です。
単純な原理ですが、角質層が紫外線などからのバリアの役目をしているため、
ハンドクリームなどにより角質層の保水成分などを満たしてあげるほど、紫外線は侵入しにくくなります。
また、ハンドクリームには、紫外線などの環境への対策を目的とした成分が配合されることもあり、
SPFの表記が無くても軽度の紫外線対策が期待できるハンドクリームもたくさんあります。
日焼けしてしまった場合、多くの方はメラニン除去による美白を考えるかもしれません。
しかし、紫外線から肌を守っているのがメラニンですので、
これを除去してしまったら肌の防御が無くなり、このときに紫外線を浴びれば深刻なダメージに。
メラニンを除去して肌を白くするのは、本当に肌を美しくする美白ではありません。
肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促進・正常化して、元々の肌の状態に戻していくのが、正しい美白です。
それを補助する役割は、美白化粧品にあるのではなく、化粧水やハンドクリームによる保湿にあります。
ハンドモデルは紫外線対策の他にも、外からの様々なダメージに気を付けています。
まずは、環境からのダメージへの対策です。
紫外線以外で肌がダメージを受けるものは、ブルーライト、PM2.5、PM1.0、化学物質、花粉、タバコの煙、電磁波…
例を挙げるとキリがなく、これらの大半は意識しても防げるものではありません。
これらから少しでも肌を保護するには、やはりハンドクリームなどで肌の表面に膜を張っておくことです。
さらに、化粧品成分の中には、肌の保護を目的に配合されるものもあります。
特に注目の成分は、ワサビノキ種子油(別名:モリンガ)
肌トラブルを引き起こすマイクロ微粒子から肌を保護することを目的に配合されます。
次に、薬剤。(主に、食器洗剤、メイク落とし、シャンプー、ハンドソープなど)
薬剤については、知識で対策を取ります。
まず第一に、食器を洗うときは必ずゴム手袋。
これだけで手荒れは大幅に改善されます。
メイク落とし、シャンプー、ハンドソープなどは、配合成分を見て、肌への負担の少ない物を選びます。
洗浄力の強い「ラウレス硫酸〇〇」や「ラウリル硫酸〇〇」は肌への負担が大きいので避けます。
ノンシリコン、ノンパラベン、オーガニックなどは、ただのイメージの問題でしかないので、気にしません。
シリコンやパラベンが入っていたほうが良い場合、ケミカルのほうが良い場合も多々あります。
他にも気を付けるべきことはありますが、最後に重要なのが、摩擦。
日常生活で最もダメなことは、手を洗いすぎること。
ハンドケアで最もダメなことは、擦り過ぎることです。
手の洗いすぎには、手を洗う回数、時間、強さ、使用する石鹸や洗剤、すべてが関係します。
肌の水分は、手を洗うだけでも外に出てしまうので、洗いすぎは肌の劣化のもとです。
ハンドケアでは、化粧水やハンドクリームを塗るときに摩擦を減らす工夫をします。
化粧水の場合は、スプレーに移して吹きかけて使うのが摩擦への対策になります。
ハンドクリームはよく伸ばして摺り込むのではなく、多めに手に取って少し厚めに塗るのが美肌作りに適しています。
ハンドモデルのハンドケアは、化粧品でのハンドケアと手の保護だけではありません。
体の健康や美しさは、運動、食事、睡眠、日々のケアによって作られているのと同じで、
手の健康や美しさも、運動、食事、睡眠、日々のケアによって作られています。
ハンドモデルは、肌がキレイかどうかだけでなく、手の形のキレイさも求められます。
適切な筋肉がついていることも必要で、日常生活における筋肉の使い方次第では、追加で適度な運動も必要です。
また、手の血行を良くするために、マッサージなどもおこないます。
マッサージの際には摩擦に注意が必要ですので、できるだけ専門のオイルを使用します。
または手軽に、ハンドクリームを塗りながらのマッサージという方法もあります。
運動により代謝が上がること、血行が良くなることで、肌のむくみを予防します。
これは、肌のターンオーバーを正常化させるために重要なことでもあります。
美しい姿勢はキレイの絶対条件とも言われ、姿勢を整えるために矯正などがおこなわれます。
手についても同じで、ハンドモデルは自分自身で手の矯正をおこないます。
特に中指は日常生活で外側に反ってきます。
そこで、ハンドモデルは、中指がまっすぐになるよう指を引っ張り、矯正していきます。
食べ物も手にとって重要です。
食べた物で体が作られると言われますが、もちろん手も、食べた物によって作られます。
一般的によく言われる体の内側からの美容を、ハンドモデルはそのまま手に当てはめ、
特にタンパク質、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEを意識的に取り入れます。
そして最後に睡眠です。
眠っている間に肌のターンオーバーがおこなわれるため、良質な睡眠は重要です。
入浴、アロマ、ストレッチ、寝る前の行動の見直しなど、睡眠のための工夫も効果的です。
以上のように、体に対するメンテナンスをそのまま手に当てはめるのことが、
ハンドモデルが手に対しておこなっているトータル美容になります。
今までのハンドケアをまとめると…
正しい知識による保水と保湿、肌の保護。
それにプラスして、運動、マッサージ、矯正、食事、睡眠など。
これらをどれだけ適切におこなうことができるか、
それが、ハンドモデルのハンドケアです。
そこで…
ハンドモデル 望月美宏が監修し、
このハンドケア原理に基づいたハンドクリームを開発しました。
保水の概念により、皮膚の水分、油分を補い保つために、
セラミドNP、セラミドAP、セラミドEOP、コレステロールを配合。
肌の保護、美肌を目的として、
ワサビノキ種子油、チャ葉エキス、ビワ葉エキスを配合。
人間の皮脂膜に近い保湿成分として、
マカデミア種子油、スクワランを配合。
厚めの塗り方をしても手がべたつきにくい様に、とても重いテクスチャ。
いつまでもそこにあり続ける自然な存在感。まるで長時間そこにあり続けるように…
本気の肌の保護を感じられる使用感です。
化粧水を塗ってからハンドクリームを塗るまでに空ける時間で、伸び状態も自在にコントロール。
ハンドクリームの伸びを調整して、ついで感覚のマッサージも良いでしょう。
ハンドクリームの香りはフローラルの香りとシトラスの香りを微量ずつブレンド。
手の周囲、約10センチの範囲だけを包み込むように、ほのかに香ります。
デザインにもこだわりました。
高級感のあるゴールドのロゴ、アーティスト的デザインの透かし、美しく力強い曲線デザイン。
残念ながらチューブ容器は黒の光沢が強すぎてイメージ通りにはならず、ここは次回の容器リニューアルの課題です。
最後のこだわりは、製造工場との処方改良の契約。
より適した成分が見つかった場合など、改良を加えて常にバージョンアップしていけるよう、
大量生産をせずに、少量ずつの生産としました。
ハンドモデルの感覚でこだわり抜いたプロ仕様のハンドクリーム。
メイクをしない手だからこそ、最高に自信の持てる肌を目指しませんか?